話題の「MCTオイルダイエット」が知りたい!美容健康に良いMCTオイルの効果効能とおすすめ摂取方法
2017/5/3140929
ここ最近、ダイエットの話題で注目度が各段に上がっているのが「MCTオイル(油)」です。
元々はアメリカでベストセラーとなった『シリコンバレー式ダイエット』というダイエット本で効果的と紹介されたMCTオイル――これまでにも多くの食用油が美容・健康・ダイエット効果があると紹介されていますが、このMCTオイルとはいったいどのような働きがあるものなのでしょうか。
まずはMCTオイルについてご説明し、MCTダイエット方法についてご紹介します。
Contents
◆MCTオイルってなに?
「MCTオイル」と聞くと特別な油のように感じますよね。しかし実は、MCTの意味は「中鎖脂肪酸(Medium Chain Triglyceride)」。つまりMCTオイルとは、「中鎖脂肪酸油」を指しているのです。
中鎖脂肪酸油で代表的なものには、ココナッツオイルが挙げられます。だたしココナッツオイルに含まれる中鎖脂肪酸は「60%程度」と限られています。代わりにMCTオイルは中鎖脂肪酸が「100%」なのです。
◆MCTとダイエット効果の関係
中鎖脂肪酸(MCT)とは、先述したココナッツなどのヤシ科植物の種子部分や母乳、牛乳などに含まれている天然の脂肪酸です。
脂肪酸の中には「長鎖脂肪酸」という、オリーブオイルなど多くの油に含まれる脂肪酸と「中鎖脂肪酸」があり、それらの違いは文字通り「(炭素の連なる鎖の)長さ」にあります。長鎖脂肪酸と比べ、中鎖脂肪酸は「およそ半分」の長さしかないために、
水に溶けやすい ⇒ 体内で(溶けやすい)糖質とともに小腸から肝臓まで直接運ばれ、即エネルギーになる。
という性質があるのです。
ちなみに長鎖脂肪酸はリンパ管などを通って筋肉や肝臓などに運ばれて一旦貯蔵され、その時々に応じて分解されるため、中鎖脂肪酸よりもエネルギーとなる時間が「約4~5倍も遅い」と言われています。
即エネルギーとなる中鎖脂肪酸は「代謝が早く脂肪になりにくく」、さらには「既に存在する体脂肪の燃焼促進効果もある」ため、ダイエットに向いているとされるのです。
◆MCTが持つケトン体ってなに?
ではなぜ中鎖脂肪酸(MCT)は体脂肪の燃焼効果まであるのでしょうか。それには中鎖脂肪酸が持つ「ケトン体」の生成作用が関わってきます。
簡単にご説明すると、ケトン体とは「アセトン」「アセト酢酸」「βヒドロキシ酪酸」の総称。そしてこれらのケトン体は、「ブドウ糖」(糖質、グルコース)の代替エネルギー源になるのです。
たとえば空腹時には、体内でブドウ糖が減少します。すると身体は脂肪を燃焼させて、肝臓でケトン体を生成します。ケトン体は不足したブドウ糖の代わりにエネルギー源となるのです。
このことから分かるように、通常ブドウ糖が不足していない状態では、身体は脂肪を燃焼させてケトン体を生成することはないのです。
しかし中鎖脂肪酸を摂取すると、ブドウ糖が減少していなくても、脂肪を燃焼させてケトン体を生成させる働きが起こります。長鎖脂肪酸を摂取してもケトン体を生成する働きはありますが、中鎖脂肪酸は長鎖脂肪酸のおよそ10倍ものケトン体生成能力があるため、格段に効率的と言えますね。
◆ケトン体がもたらすダイエット以外のメリット
ブドウ糖が不足していない状態でケトン体を多量に生成するということは、ブドウ糖は使用されないまま体内に留まることを意味します。そのためエネルギー消費の激しい運動・スポーツ時にMTCオイルを摂取しておくと、ブドウ糖が消費されないため血糖値が下がらず、疲れにくい体作りを実現できるのです。
実際に医療現場においては40年以上前から、体内エネルギーを維持する必要のあるケース(未熟児や腎臓病の方など)にて、MTCオイルを栄養補給食品として取り入れています。
またケトン体は脳神経系のエネルギー源にもなるため、脳機能の改善、脳機能低下予防の働きも期待できます。
さらに美容面においてもうれしい事に、ケトン体の構成要素のひとつ「βヒドロキシ酪酸」には、抗酸化酵素の活性化効果があります。そのため細胞の老化を抑えることができるため、肌その他の部位のアンチエイジング効果までも期待できるのです。
◆中鎖脂肪酸油(MCTオイル)ダイエット方法
ココナッツオイルとは異なり、MCTオイルはサラサラとした形状の無色透明で、香りや味に特別クセはありません。しかしオリーブオイルなど他のオイルとは違って、MCTオイルは低温でも煙が出やすいため、炒めモノなどの料理に使用することは避けましょう。
ではどのように摂取するべきかといえば、飲みモノに混ぜたり、ドレッシングやマヨネーズに使用することをおすすめします。
なお、冒頭でご紹介した『シリコンバレー式ダイエット』では、MCTオイルを使用した「完全無欠コーヒー」という摂取方法がすすめられています。なぜならコーヒーに含まれるカフェインにもまた、脂肪の分解促進効果があるため、MCTオイルとコーヒーを合わせることでさらなるダイエット効果が見込めるからです。
【完全無欠コーヒー】
「完全無欠コーヒー」とは、コーヒー1杯につき「MCTオイル大さじ1~2杯」「オーガニックのグラスフェッドバター(無塩)大さじ1~2杯」を混ぜあわせたコーヒーを指します。
※「オーガニックのグラスフェッドバター」:無農薬の牧草のみを食べて育った乳牛の牛乳からできているバター。別名「バイオバター」。通常のバターよりもビタミン類が多い。
「コーヒー+MCTオイル」(グラスフェッドバターはなくても結構です)を朝食代わりにすると、MCTオイルがケトン体を生成するため、余分な糖質を摂りたいという欲求がなくなり、無理なく食事量や間食量が減ります。また脂肪燃焼が促進されるため、自然とダイエット効果が期待できるのです。
◆MCTオイル摂取の注意点
MCTオイルは一度に多量摂取すると、下痢・腹痛が引き起こされるおそれがあります。そのため摂取量は「1日に大さじ1~2杯」にとどめ、最初は体質を見るために少量から始めましょう。
なお元々血糖値が非常に高い方や糖尿病などの疾患をお持ちの場合は、かかりつけの医師にご相談の上、MCTオイルの摂取をご検討ください。