マクロビオティックの意味はなに? 季節の食材を丸ごと身体に取り入れて、体内バランスを整えよう!
2018/2/72816
ここ数年で身の周りのモノや食生活、お化粧品や衣服など身につけるアイテムの素材などに気を配る方が増えているのをご存じでしょうか。教育の現場においても、「食育」という考え方が広まって久しいですよね。
このような、ライフスタイルの見直しが注目されるなかで、よく聞かれるようになったのが「マクロビオティック」(通称「マクロビ」)という言葉です。
ですがこのマクロビオティック、実際にはどのような事を指すのか、きちんと説明できる方はあまりいらっしゃらないのではないでしょうか?
そこでここでは、マクロビオティックについて簡単にまとめてご紹介していきます!
Contents
◆マクロビオティックってどういう意味?
マクロビオティックという語を少し知っている方は、「ベジタリアンに近い、野菜や玄米だけの食生活をすること?」というような、なんとなくのイメージを持っているかもしれません。
しかしマクロビオティックとは、単に野菜中心の食生活を送ることではありません。
まずマクロビオティック(Macrobiotic)の意味としては、
「マクロmacro」(大きな、長い)+「ビオbio」(生命)+「ティックtic」(術、学)
というギリシャ語語源の3語から成り立っている造語です。50年以上も前から日本には「正食協会」(1957年設立)があるように、日本語では「正食」として広まっていますが、直訳するなら「長寿術」といったところです。
◆マクロビオティック発祥の地は日本!?
意外かもしれませんが、マクロビオティック発祥の地は日本。創始者は桜沢如一(さくらざわ ゆきかず1893~1966)という日本人です。
元々は体が弱かった桜沢氏は、日本古来の食事療法を行うことで健康となったことから、その考え方をさらに深めて現在のマクロビオティックを確立しました。
そしてその考えを世界中に広めようと世界各国を精力的に回り、講演や著書によってマクロビオティックの考え方を指導することで、現在では世界中の健康志向の層に受け入れられているのです。
◆身土不二ってどういう意味?
ではマクロビオティックとは、具体的にはどのような内容を指すのでしょうか。
マクロビオティックと切っても切れない言葉に「身土不二」(しんどふじ)と「一物全体」(いちぶつぜんたい)があります。
「身土不二」とは字を見てイメージできるように、「身体と土はニつではない」=「人間の身体と環境は別々のものではない。これら二つはつながっている」という意味です。
つまり、人間は自分自身の身体の機能だけで正常に生きているのではなく、住んでいる環境(気温、湿度、風土など全般)の影響を身体に大きく受けて生きているのです。
そして動植物もまた、その成育環境に影響を受けています。そのため、たとえば熱い地域で食べられる食べ物は身体を冷やす性質があり、反対に寒い地域で食べられる食べ物は身体を温める性質があります。
日本の場合は四季があるため、「四季折々の食材」があります。これら四季による作物には、その時期の身体に合った栄養素が含まれており、人間が摂り入れるのに最適な状態になっています。
このように、「その土地土地の特産品や、シーズンごとの季節ものを身体に摂り入れることが、健康維持のためには大切」という考え方が「身土不二」なのです。
◆一物全体ってどういう意味?
次に「一物全体」とは、文字通り「作物を皮・根もついたまま、丸ごと全体を食べましょう」という意味です。
これはバランスよく「全体」が合わさってこそ、非常に大きなパワーがある、という考え方です。実だけでは得られない生命力あふれるパワーが、実と一緒に種子や皮なども食することで得られるのです。
そのため、お米であれば白米ではなく、玄米や胚芽米を食べることをマクロビオティックでは推奨しています。またできるかぎり野菜は皮や根つきのまま、また魚も小魚ならば丸ごと食べるように指導されています。
なお、マクロビオティックは(ベジタリアンのように)肉・魚を禁止してはいません。ただし体質や食材の安全面を考慮した上で、量をたくさん取らないほうが良い、とは言われています。
◆マクロビオティックの陰陽
マクロビオティックの考え方のベースには「陰陽」があります。
陰陽とは東洋思想に基づき、人間の身体や食材などを含め、世界にあるすべての性質を「陰性」「陽性」(真ん中の性質は「中庸」)に分けて捉える考え方です。
食材に関していうと、たとえば動物性は陽性、植物性は陰性であり、苦味があるモノは陽性、甘い・辛い・酸っぱいモノは陰性です。
食べ物を身体に摂り入れる際も、それぞれの食材の「陰性」「陽性」の性質を知り、できるかぎり偏りがないようにバランスよく食べることで、身体の機能のバランスも取れて健康になる、と言われています。
◆まずは四季を感じる地元の食材を買ってみよう!
マクロビオティックの考え方を簡単にまとめるなら、「その土地土地の季節のものを、丸ごとバランスよく食べることで、人間の身体はより健康的に機能するようになる」ということです。
マクロビオティックは難しいルールを強いているのではありません。
添加物だらけの加工品や砂糖たっぷりのスイーツ・清涼飲料などを好んで摂取するのではなく、毎日の食事を偏食なくバランスよく食べ、季節の恵みを身体においしく取り入れれば、身も心も元気になる! ということです。
忙しい毎日で食事をおろそかにしているのなら、まずは地元の食材を使ったお料理を一品、プラスすることから始めてみても良いかもしれませんね。