PMS(月経前症候群)対策|イライラ症状の解消法
2019/4/252570
何となく体調が悪い、イライラする、肩こりや腹痛、頭痛といった不快な症状がある……それはもしかすると「PMS(月経前症候群)」かもしれません。
PMSについては「聞いたことはあるけれど、詳しくは知らない」「知っているけれど、どう対処すればいいのか分からない」という女性も多いのではないでしょうか。
そこでPMSの症状とその原因、および代表的症状の一つである「イライラ」の解消法をご紹介いたします!
Contents
◆PMS(月経前症候群)とは?
PMS(Premenstrual Syndrome)とは「月経前症候群」と呼ばれるとおり、月経の3~10日くらい前から起こる精神的・身体的な不調のことです。
症状は人により異なりますが、いずれも月経の前に起こり、月経開始とともに軽くなったり治まったりします。
基本的に婦人科の問診では、月経前の不快な症状が2周期~3周期以上続いていることを目安にPMSと診断されます。
◆PMSにはどのような症状があるの?
PMSの症状は人により異なり、同じ人でも毎回違う症状があらわれることがあるため、一概に症状の特定は難しいとされています。
ただ具体的な症状の例としては、以下のようなものが挙げられます。
<精神的な症状>
・イライラする
・憂鬱な気分になる
・精神的に不安定になる
・涙もろくなる
・集中力の低下
・無気力
<身体的な症状>
・胸が張る
・お通じの不調(下痢/便秘)
・頭痛
・肩こり
・疲れやすい
・眠気
・肌荒れ
・むくみ
・食欲増進
・微熱
月経前に、上記症状の内いずれか1つでも当てはまるものがあった場合には、もしかするとPMSかもしれません。
◆PMSの原因は?
残念ながら、PMSのはっきりとした原因は、現在のところ判明していません。
しかし、PMSの症状が月経の周期に伴って生じる点や、初潮前の女性や閉経後の女性にはPMSの症状がみられない点などから、ホルモンバランスの変化が要因の一つであると考えられています。
PMSに深く関わってくるのが「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」と呼ばれる2つの女性ホルモンです。
個人差もありますが女性の正常な月経周期(月経の始まりから次の月経開始までの周期)は約25日~38日程度。その周期はさらに「卵胞期」「排卵期」「黄体期」「月経期」という4つに分けられます。
これら4つのサイクルの中で起こる女性ホルモンの増減が、PMSの原因の一つと考えられているのです。
その他、元々の性格やストレス状態、食生活や運動不足なども、PMS症状に影響をおよぼす要因であるとされています。
【エストロゲンとは】
エストロゲンとは、卵巣から分泌される女性ホルモンの一つ。第二次性徴を促し女性らしい丸みを帯びたボディラインを作ったり、肌や髪のツヤやハリを保ったりと、女性に嬉しい働きをしてくれるホルモンです。
月経期の終了から排卵期に向かう「卵胞期」に分泌量が増加し、月経開始とともに分泌量が減少。別名「美人ホルモン」とも呼ばれます。
【プロゲステロンとは】
エストロゲンと同じく卵巣から分泌される女性ホルモンの一つで、妊娠に深く関係するホルモンです。子宮内膜を柔らかくして妊娠の準備を整え、妊娠後は出産まで子宮内膜を維持するために働きます。
排卵後から月経開始までの「黄体期」に分泌量が増加し、月経開始とともに分泌量が減少。皮脂の分泌を活発にする性質、水分を体内にため込む性質などがあるため、月経前の肌荒れや体のダルさを引き起こす原因にもなるホルモンです。別名「妊娠ホルモン」とも呼ばれます。
◆一番多い悩み「イライラ」
PMSで一番代表的な症状は「イライラ」です。
ある生理用品メーカーのアンケート結果によると、PMSの症状を感じたことのある女性の内、60%以上の女性が「イライラ」を感じると答えています。
仕事や家事、育児にと、現代女性はただでさえストレス過多の環境で過ごしているというのに、毎月のPMSによるイライラがさらに加わるなんて……。
「いっそのこと月経なんてなくなってしまえ!」とヤケになる前に、イライラ症状に負けないためのPMSと上手に付き合う方法、乗り越えていく方法を見ていきましょう!
◆「イライラ」症状解消法
前述の通りPMSのはっきりとした原因は解明されていないため、明確な治療法はありません。
ただし、次のような方法で症状の軽減や解消を図ることはできると考えられています。
(1)PMSの周期を把握する
(2)食事に気をつける
(3)適度な運動
(1)PMSの周期を把握する
PMSのイライラをコントロールするためには、まずは自らのPMS症状が起こる周期を把握しておくことが重要です。
「この時期にイライラ症状が起きやすい」と自分で把握しておき、「今のイライラ症状はPMSが原因かも……」と自覚ができていれば、気持ちのコントロールもしやすくなります。
PMS周期の把握とは、月経周期の把握です。
月経周期を把握するためには、毎日の基礎体温チェックがおすすめ!
「基礎体温」とは、人が生きていく上で必要な「最低限のエネルギー」を消費しているときの体温のこと。簡単にいうと「寝起きすぐの、安静時の体温」を指します。
そのため、基礎体温チェックの際には、目が覚めたら動かずに(活動を開始する前に)布団の中で検温をすることがおすすめです。通常の体温計では基礎体温は計れないため、専用の「婦人体温計」を使ってチェックしましょう。
【基礎体温の周期】
基礎体温には「低温期」と「高温期」の2つがあります。
月経周期が28日の女性の場合、月経開始と同時に基礎体温は下がります。そこからの約14日間が「低温期」と呼ばれる期間。その後、排卵日を迎えると基礎体温は上昇します。そして次の月経までの約14日間が「高温期」呼ばれる期間です。
つまり、基礎体温が上昇した日が排卵日であり、そこからPMS症状が発症する黄体期に突入するというわけです。
この周期を把握することこそ、イライラ解消への第一歩です!
(2)食事に気をつける
PMSによるイライラ症状解消のためには、食事を見直すことも1つの方法です。
ビタミンやミネラルを豊富に含む食品で、栄養バランスのとれた食生活を心がけましょう。
一方で、カフェインなどの刺激物や、血糖値を急激に上昇させる(=イライラの原因になる)糖分の高いもの、タバコやアルコールはPMS症状を悪化させてしまうため摂取は控えめに。
<積極的に摂取したい栄養素と食品例>※イライラや情緒不安定を和らげる栄養素
■ビタミンB6
レバー、マグロ(赤み)、鶏ささみ、バナナ、パプリカ、さつまいも、玄米ごはん
■ビタミンE
アーモンド、ヘーゼルナッツ、アボカド、ブロッコロー、ひまわり油などの植物油
■カルシウム
牛乳、チーズ、ヨーグルト、干しエビ、小松菜、モロヘイヤ、豆腐
■マグネシウム
納豆、海藻類(昆布、ひじき、のりなど)、ごま、アーモンド、大豆
<摂取を控えるべきものと食品例>
■カフェインを多く含むもの
コーヒー、紅茶、緑茶、栄養ドリンク
■血糖値を急激に上昇させるもの
スナック菓子、チョコレート、ケーキ、砂糖
■その他
タバコ、アルコール、塩分の高いもの
(3)適度な運動
適度な運動も、PMSのイライラ症状解消には効果的。
ただし、あくまで頑張りすぎず気分転換程度の「適度な」運動であることが重要です!
ウォーキングや、リラックス系のヨガなどがおすすめですね。
特にヨガは、深い呼吸と緩やかな動きで自律神経が整えられてリラックス効果があるため、PMSのイライラ症状だけではなく、日常生活のストレス解消、セルフコントロールにも効果が期待できます!
健やかに過ごすために
PMSのイライラ症状解消のためには、何よりも「無理をしないこと」が大切です。
普段から悩みがちな人、律儀で真面目な人、ストレスを感じやすい人は、PMS症状が起こりやすいともいわれています。
そのため、PMSの症状が出る黄体期には無理をせず、思い切って自分を甘やかしてあげましょう!
自分が心地よいと思うペースで、「まあいいか」というくらいの気持ちのゆとりを持って過ごすとよいですね!