抗酸化作用たっぷりファイトケミカルスープ!野菜パワーで美肌・ダイエット、ガン予防も!?

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2017/8/230757

ここ数年、健康的なライフスタイルが見直されるなか、食生活の改善による「身体の内側」磨きにも注目が集まっています。この傾向により注目が集まっているワードが「ファイトケミカル(ファイトケミカルス)」です。

「ケミカル」と聞くと、なんとなく身体に悪いようなイメージを持ってしまう方もいるかもしれませんね。しかし実際には、ファイトケミカルは健康を維持し、アレルギーや肌荒れ、アトピー、がんなどを予防するために非常に有効と期待されている物質なのです!

芽キャベツ

そこでまずは「ファイトケミカルとはそもそも何?」という疑問にお答えし、効率良くファイトケミカルを摂取できるレシピをご紹介します。

◆第7の栄養素「ファイトケミカル」

ファイトケミカルとは英語で“phytochemical”と書き、「フィトケミカル」と読む場合もあります。

“phyto”はギリシャ語で「植物」、“chemical”は英語で「化学成分、化学物質」という意味。そのため直訳するならファイトケミカルは「植物性化学成分」、つまり「植物が元々持っている化学成分」を指します。

ヒトの身体の機能を正常に働かせるために必要な5大栄養素は「タンパク質、脂質、糖質、ビタミン、ミネラル」ですが、第6の栄養素として「食物繊維」も主流です。そこにさらに第7の栄養素として「ファイトケミカル」が挙げられており、世界的にも注目されているのです。

とは言え、ファイトケミカルは「ファイトケミカル」というひとつの成分を指しているのではありません。なんとその数は現在発見されているだけで数千種類にも! まだ見つかっていない成分を合わせれば、1万種類を優に越すとも言われているのです。

※「ファイトケミカル」は複数形の「ファイトケミカルス」とも表記されます。

それほど多くの種類があるファイトケミカルですが、ある「ほぼすべてのファイトケミカルに共通する作用」がこれほどまでに健康維持の目的で注目を浴びています――それは「抗酸化作用」です。

◆ファイトケミカルの種類と代表的な食材例

ではファイトケミカルとは、具体的にどのような化学成分なのでしょうか。以下に代表的なファイトケミカルスと、そのファイトケミカルが含まれる代表的な植物(食材)例を挙げます。

【代表的なファイトケミカル例】

①ポリフェノール
・アントシアニン類・・・ブルーベリー、ブドウ(の皮)、黒豆、ナスなど
・イソフラボン類・・・大豆
・フラバノール(カテキン)類・・・緑茶、煎茶、カカオ、ブドウやリンゴの皮、コーヒー
・クルクミン・・・ウコン

②カロテノイド
・βカロテン・・・しそ、モロヘイヤ、ニンジン、カボチャ、トマト、ほうれん草
・リコピン(リコペン)・・・トマト、スイカ、パプリカ
・ルテイン・・・ほうれん草、ブロッコリー、カボチャ、いんげん豆、ケール

③含硫化合物
・イソチオシアネート(硫黄化合物)・・・ダイコン、わさび、菜の花、白菜
・システインスルホキシド類・・・タマネギ、らっきょう、長ネギ、ニラ、にんにく、キャベツ、ブロッコリー

ファイトケミカルを含む野菜・果物

これらの他にも、柑橘類に含まれる「リモネン」や唐辛子の辛味成分で有名な「カプサイシン」、ショウガに含まれる「ギンゲロール」、ゴマに含まれる「セサミノール」など、すべてを挙げることは不可能なほどに、幅広い食材に何万種類もあるファイトケミカルは含まれているのです。

ファイトケミカルは植物が持つ色素(たとえば紫色ならアントシアニン)や香り(柑橘類独特の香りはリモネン)、辛味(ダイコンやわさびのツンとした辛味はイソチオシアネート)などから発見されており、植物が自らの細胞を酸化や細菌から守る(抗酸化力、抗菌力)ために含んでいると考えられています。

◆身体のサビ「酸化」から細胞を守って健康的に美しく!

ではなぜヒトは身体の機能を守り病気のリスクを避けるために、「酸化を防ぐ作用」(=抗酸化作用)を取り入れることが重要なのでしょうか。

ヒトは呼吸することで酸素を体内に取り入れ、血液に乗せて身体の隅々に酸素を運び、身体の各機能を働かすためのエネルギーとします。そしてその体内に取り入れた酸素のうち、およそ2%は「活性酸素」になります。

活性酸素とは、酸化力が強い酸素のこと。本来はこの酸化力によって殺菌をし、細胞をダメージから守る役目があるため、必要な存在です。しかしこの活性酸素の量が加齢やストレス、紫外線、食生活の乱れなどによって増えすぎてしまうと、その酸化力の強さによって、健康な細胞までも「サビ」させてしまうのです。

酸化による鉄サビは赤茶けてもろくなってしまいますが、身体のサビは「老化」、ひどい場合にはガンなどの疾患となって現れてしまいます。

また疾病予防のみならず、ファイトケミカルを摂取することで代謝が上がり、体脂肪が分解されて無理なく痩せることも期待できます。身体の内側から免疫力が上がることで美肌、美髪などの美容効果もあり、エイジング対策としても見逃せません。

いかに身体を酸化から守るか、ということが健康的で若々しい身体を細胞レベルで維持するためには重要――そこで植物が持つ自然の抗酸化成分「ファイトケミカル」を食事で上手に取り入れることが今、大注目されているのです!

◆ファイトケミカルが豊富な野菜スープレシピ

ではファイトケミカルを存分に身体に取り入れるためのレシピをご紹介します。

調理方法として有名なのは「ファイトケミカルスープ」。名前どおり、ファイトケミカルを豊富に抽出した野菜スープです。

というのも、ファイトケミカルは加熱によって植物細胞から溶け出させることが可能だから。そのため野菜をコトコトと煮込んでスープにすれば、スープ中に強力な抗酸化や抗菌力、抗炎症力などがあるファイトケミカルを余すことなく含まれ、簡単に摂取することができるというワケです!

このファイトケミカルスープは、ハーバード大学で「ガンと免疫と食事(栄養素)」について研究をされた高橋弘先生(麻布医院ドクター)考案のため、その著書より「ハーバード大学式野菜スープ」とも言われています。

ではファイトケミカルスープのレシピをご紹介します。

【ハーバード大学式野菜スープレシピ】

■材料(2人前)
カボチャ200g
ニンジン200g
タマネギ200g
キャベツ200g
水2L

①タマネギの皮、カボチャの種を取り除き、ダシ袋に入れます。※調味料は使用しません。
②カボチャ、ニンジン、タマネギ、キャベツを食べやすい大きさに切ります。
③キャベツ、ニンジン、タマネギ、ダシ袋、水を鍋に入れ、中火で10分煮込みます。
④沸騰したら、カボチャを入れ、弱火で10分煮込みます。

これで完成。野菜のうま味のみで充分においしく、調味料は一切使用しないのがポイントです。また皮や種といった、普段は食べないもののファイトケミカルが存分に含まれている部分を煮こむ点も重要です。

なお野菜はその日の気分や季節によってお好みで変えていただいてOK! 含まれるファイトケミカルが異なる4種類程度の野菜を摂取することを念頭に、ファイトケミカルたっぷりな野菜スープを作りましょう。

※できるだけオーガニック、無農薬の野菜をご使用になることをオススメします。

◆ファイトケミカルスープの摂取量

ファイトケミカルスープは、1回の食事前に200ml、それを一日1~3回飲むようにしましょう。食事前に飲むことで、後からの食事による急激な血糖値上昇を防ぎ、また煮込んだ野菜も食べることで満腹感を得られるため、食べ過ぎ防止にも有効です。

ファイトケミカルスープ

もしも「毎日4種類の野菜は難しい」「冷蔵庫のなかの余り野菜を使用したい」というなら、「赤、黄、緑、紫、白、黒」の6色の野菜を意識して、日替わりで摂取するようにしてみても!

たとえば
赤・・・トマト
黄・・・トウモロコシ
緑・・・ほうれん草
紫・・・ナス
白・・・・白菜
黒・・・ワカメ

といった食材を使ってスープやホットスムージーを作ることで、ぞれぞれの色のファイトケミカル・パワーを毎日バランスよく身体に取り入れることができ、味覚的にも変化をつけることができてオススメです。

◆おいしいファイトケミカルスープで細胞を元気に!

ファイトケミカルとは自然が持つ自己防衛パワーの源。そのパワーを壊さず、逃さず、効果的に「野菜スープ」という形で毎日取り入れれば、きっとあなたの身体もその恩恵に預かれるはずです。

ファイトケミカルを含む野菜をしらべるイメージ

美容や健康、ダイエットに興味があるのなら、どの野菜・果物にどのファイトケミカルが含まれているのか知った上で、美味しく楽しくファイトケミカルスープを生活習慣のひとつにしてくださいね。

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