脇汗の原因と対策|脇汗を抑える3つの方法と服の汗ジミ予防法

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2019/7/31350

ショッピングや毎朝の洋服選びの時に、脇汗による汗ジミが気になって着たい洋服を諦めた、というような経験はありませんか?

女性の脇

汗をかくことは、私達の身体機能において不可欠なことです。

しかし、それによりお気に入りの洋服に脇汗ジミができてしまったり、その汗ジミを人に見られてしまったり、ということは誰しも避けたいですよね。

ふと腕を上げた時に脇汗ジミができていて、恥ずかしい思いをしてしまった……という事態にならないために、脇汗が出る原因とその対策方法をご紹介いたします!

◆なぜヒトは汗をかくの?

ヒトが汗をかく理由は、主に体温を調整するためです。

健康な人の体温(平熱)は36.5度前後に保たれており、これは体の細胞や器官がもっとも効率よく機能する温度であるとされています。

そのため、気温が高い時や、運動をした時、また風邪を引いた時などに体温が上昇すると、体は体温を下げようとして、皮膚の汗腺から汗を分泌(発汗)します。

発汗するとなぜ体温が下がるのか。それは、汗が蒸発していく時の気化熱として、肌表面の熱が吸収されるからです。

【気化熱とは】
液体が気体になる時、その周囲の熱を吸収して気化します。その時に吸収される熱が気化熱です。

気化熱の例としては、夏に道や庭先に水を撒き暑さ対策を行う、日本の伝統的な「打ち水」を想像すると分かりやすいかもしれませんね。

つまり発汗は、生命を維持する上で欠かせない身体機能の一つなのです。

その他、緊張やストレスを感じた時、体調不良の時、血圧や血糖値が低下した時などにもヒトは汗をかきます。

このような汗は体温調整機能としてではなく、交感神経の働きにより出ている汗で、一般的に「冷や汗」と呼ばれるものです。

◆脇汗の原因

ヒトが汗をかくのは、体温調整や交感神経の影響によるとご紹介しましたが、ではなぜ体の部位により発汗の度合いが違うのでしょうか。

それは、体の部位により汗腺の発達度合いや種類が異なるからです。

汗を分泌する汗腺には、「エクリン腺」「アポクリン腺」という2つの種類があります。

エクリン腺は、唇などの一部を除きほぼ全身に分布している汗腺です。

エクリン腺から分泌される汗(以下、エクリン汗)は99%以上が水分のため、サラッとしていてほぼ無臭。残りの1%には塩分やアミノ酸、乳酸などが含まれています。

エクリン汗自体は無臭ですが、汗に含まれるアミノ酸などが肌表面の細菌(皮膚の常在菌)により分解されると、ニオイが発生します。

発汗の直後は無臭であっても、時間とともに汗臭が気になってくるのは、これが原因です。

一方、アポクリン腺は毛包(毛根を包む袋状の組織)に付属している汗腺で、主に脇の下や耳の後ろ、性器周辺などの限られた部分にのみ存在します。

アポクリン腺から分泌される汗(以下、アポクリン汗)にはやや粘り気がありますが、ニオイについてはエクリン汗と同じく、本来は無臭です。

しかし、アポクリン汗には、少量のたんぱく質や脂質など、皮膚の常在菌が好む成分が多く含まれているため、エクリン汗以上に独特のニオイが発生しやすく、「ワキガ」の原因にもなります。

体の部位の中でも、脇の汗量やニオイが気になりやすい原因は、脇の下にエクリン腺とアポクリン腺の両方が存在しており、特に発汗しやすい部位であるためです。
汗腺の解説画像

【ワキガとは】
脇の下から臭う、特有の不快なニオイ症状のこと。医学的には「腋臭症(えきしゅうしょう)」と呼ばれます。

脇のニオイについては個人差があり、体質や遺伝などによっても変わるため、汗を多くかくからといって必ずしもワキガであるとは限りません。

※日本人のワキガ体質は10%前後といわれています。

【ワキガのセルフチェック方法】
脇のニオイが気になっている場合、以下の項目に多く当てはまるとワキガの可能性も。

□耳垢が湿っている
□脇毛が多い
□脇汗が多い
□汗で服に黄色いシミ(黄ばみ)ができる
□家族(親、兄弟姉妹)にワキガの人がいる

◆脇汗を抑える方法

発汗は体温調整など生命を維持する上で欠かせない身体機能ではありますが、多すぎる発汗はやはり困りもの。

そこで、脇汗を抑える効果が期待できる3つの方法をご紹介いたします!

【脇汗を抑える方法】
1.ツボ押し
2.皮膚温度を下げる
3.制汗剤の使用

1.ツボ押し

人体には、脇汗や顔の発汗を抑えるための「汗止めのツボ」があることをご存知でしょうか?

一つは、バストトップから指3本分(3cm~5cm)ほど上の位置にある「屋翳(おくえい)」と呼ばれるツボ(両方のバスト上にあるため、計2箇所)。

もう一つは、脇の中央から少し下辺り(腕組みをして両腕を交差させた時に、指先が触れる辺り)に位置する「大包(だいほう)」と呼ばれるツボです(両脇にあるため、こちらも計2箇所)。

実は、このツボ刺激による発汗抑制の方法は、京都の舞妓さんの間で昔から実践されてきた方法なのです。

着物の帯を少し高めに結んだ時に、帯の端がちょうどこの「屋翳」と「大包」のツボを刺激する位置に当たるため、少しきつめに結ぶことで顔や脇の発汗が抑えられます。

舞妓さんの白いおしろい顔が、いつも涼しげで美しいのは、汗止めのツボを刺激しているからかもしれませんね。

着物や浴衣を着るときはもちろんのこと、洋服の時にもツボ押しを試してみはいかがでしょうか。

2.皮膚の温度を下げる

体温調整のため(体温を下げるため)に発汗が促されているならば、逆に体温を下げてしまえば汗を抑えることができます。

体温を下げる方法としておすすめなのは、脇の下やひざ裏、手首や足の裏などを冷やすこと。血管を冷やすと皮膚の温度が下がりやすくなるため、それに伴って発汗が抑えられます。

保冷剤をタオルで包んだもので冷やしても良いですし、ひんやりとした涼感のある市販の汗ふきシートなどを利用するのも便利ですね。

3.制汗剤の使用

脇汗対策には、市販の制汗剤を使用することもおすすめ。

制汗剤

制汗剤にはスプレータイプやシートタイプ、ロールオンタイプなどがありますが、汗の抑制に一番おすすめなのは、肌に直接塗り込むロールオンタイプです。

ロールオンタイプは、脇の曲線的な肌にフィットして、塗り残しや塗りムラが生じにくいという点もあるので、制汗剤を選ぶ時にはこのタイプを選ぶと良いでしょう。

ただし、市販の制汗剤は配合されている成分によって殺菌・消臭効果、耐水性効果など、それぞれに特徴があるため、目的や自分の肌に合うかどうかを見極めつつ、選ぶと良いですね。

◆脇汗ジミの対策方法

脇汗を抑える方法を試しても、やっぱり脇汗で汗ジミが……ということもあるかと思います。

そんな時のために、脇汗を抑える対策と一緒に行っておきたいのが、汗ジミ対策です!

洋服の脇汗ジミを防ぐためには、汗取りパットが付いたインナー(下着)を服の下に着ておくのがおすすめ。

ただ、洋服のデザインによってはインナーを着られない場合もありますよね。

そんな時には、市販の汗取りパッドを活用しましょう。服の裏から脇の部分に汗取りパッドを貼り付けておくだけで、服への汗うつりが防げます!

それでも脇汗が心配という方は、選ぶ服の素材や色について、少し工夫をしてみてはいかがでしょうか。

【脇汗が目立ちにくい服の素材・色】
◆素材
吸水性が高い素材(綿、麻など)
◆色
白、黒やネイビーなどの濃い色

※ただし、白い服は脇汗が付いたまま放置しておくと、黄ばみの原因になるので注意が必要です!

【脇汗が目立ちやすい服の素材・色】
◆素材
通気性・速乾性に優れた素材(ポリエステル、レーヨン、サテンなど)
◆色
ライトグレー、ベージュ、パステルカラーなどの明るい色

◆日常生活に支障が出るほどの脇汗は、疾患の可能性も

脇汗の原因と対策についてご紹介しましたが、日常生活に支障が出るほどの脇汗やその他の発汗がある場合には、「多汗症」という病気である可能性が考えられます。

ストレスや緊張、不安による多汗症や、病気による多汗症など原因も様々ですので、あまりに汗をかきすぎる時には放置せず、専門医の診断を受けましょう。

笑顔の女性

通常の脇汗対策には、今回ご紹介した方法を試してみてください。脇汗を防いで、人目を気にせずオシャレを楽しんで!

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