皮脂による肌トラブルを防ぐには?皮脂と上手に付き合うための方法をご紹介
2022/7/161280
テカリやメイク崩れ、ニキビや毛穴の詰まりなど、多くの肌トラブルの原因とされる皮脂。中には皮脂の酸化による臭いまで気になり、皮脂を抑えるために試行錯誤している方は珍しくありません。
このように厄介な存在として扱われがちな皮脂ですが、実は健やかな肌を保つために、皮脂は重要な働きをしているのです。
そこでここでは、過剰分泌された皮脂による肌トラブルを防ぎつつ、皮脂を上手に使って健康的な肌をキープする方法をご紹介します。
Contents
皮脂の大切な役割とは?
まずは、皮脂が担っている肌への大切な役割について見ていきましょう。
肌の保湿
皮膚の一番上には、表皮(層)があります。この表皮はさらに上から「角層(角質層)」「顆粒層」「有棘層」「基底層」が積み重なって形成されており、角層には角質細胞がレンガ状に何層にも重なってできています。
そして、角質細胞内には「天然保湿因子(NMF)」があり、また角質細胞と角質細胞のあいだを「角質細胞間脂質」がセメントのように埋めています。
この角質細胞間脂質の主成分は保水成分セラミドのため、水分を挟み込む性質があります。そして天然保湿因子は、一度とらえた水分を離さない性質があります。
さらに肌の表面には、毛穴内の皮脂腺から分泌される皮脂と汗が混ざり合ってできている「皮脂膜」があります。
この皮脂膜が、ラップもしくは蓋のように肌表面を覆い、肌に必要な水分が蒸発しないように働いているのです。
そのため皮脂膜がなければ、どれだけ肌に水分を補給しても、すぐに蒸発して肌内部は乾燥してしまう、という訳です。
肌の保護
肌の表面にある「バリア機能」とは、角層と皮脂膜によって働くシャッターのような機能のこと。
このバリア機能が正常に働いていると、紫外線や花粉・ホコリ、PM2.5、アレルゲンなどの外的刺激が肌内部に侵入するのを防ぐことができます。
そのため、何らかの理由によって皮脂量が減少して皮脂膜がうまく働かず、バリア機能が乱れると、肌は外的刺激によるダメージを受けやすくなるのです。
肌の抗菌
皮脂を構成する成分が作り出す遊離脂肪酸のいくつかには、肌表面に存在する特定の菌に対して、抗菌・殺菌作用があると言われています。
また、皮脂は弱酸性の性質を持っており、このために肌表面に細菌が増殖するのを抑えてもいるのです。
以上から、本来皮脂は肌の潤いを守って外的刺激をシャットアウトし、細菌感染から肌や肌内部を守る大切な役割があるのです。
皮脂が原因の肌トラブル
健やかな肌のために欠かせない皮脂ですが、多すぎても少なすぎても肌トラブルの原因になってしまいます。そこで次に、それぞれのパターン別の主な肌トラブルについて見ていきましょう。
皮脂が多い場合の肌トラブル
皮脂が過剰分泌される「脂性肌」になると、まずは肌表面のテカリやべたつきが多くなります。そのような余分な皮脂を放置していると、皮脂が酸化して臭いを放ったり、肌表面に刺激を与えてシミや炎症の要因になったりすることがあります。
また、毛穴から皮脂が多量に分泌されるため、毛穴開きが目立つように。
さらに、毛穴には余分な皮脂が溜まりやすくなります。すると、毛穴の中で皮脂と古い角質細胞や汚れが混ざり合い、角栓という塊ができます。
この角栓が毛穴の中で詰まると、酸化で黒く変色して黒ずみ毛穴に。そのうえ、皮脂を養分として毛穴内のアクネ菌が増殖。その結果、炎症を伴うニキビができやすくなります。
皮脂が少ない場合の肌トラブル
皮脂が少ない「乾燥肌」になると、先述したバリア機能が低下します。そのため、通常なら反応しないような外部刺激にも反応しやすくなり、かゆみや赤み、湿疹などの炎症やアレルギー反応が起こりやすくなります。
また、肌内部の水分が蒸発しやすくなるため、肌がかさつき、角質細胞がぽろぽろとはがれやすくなり、ひどい場合にはひび割れが起こることもあります。
皮脂が増加・減少するのはどうして?
では、どうして皮脂の分泌量は増減するのでしょうか。
皮脂が増加する原因
女性の場合、月経前の黄体期には黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌量が増えることで皮脂量が増加します。なぜなら、黄体ホルモンは皮脂の分泌を活性化させるためです。
なお、男性のほうが皮脂量が多い傾向にあるのは、男性ホルモンは皮脂分泌を活性化させる性質があるため。黄体ホルモンはこの男性ホルモンと構造が似ているため、同様の作用があります。
また、意外にも肌の内側が乾燥している場合でも、皮脂量は多くなります。というのも、乾燥によって肌表面のバリア機能が正常に働かなくなることを防ごうと、肌が皮脂を水分の代わりにしようとするためです。
その他、脂質・糖質の多い食事をしていたり、ストレス過多(ストレスを感じると男性ホルモンの分泌を促すため)だったり、夏場で代謝が上がっていたりする場合にも、皮脂量は増加します。
皮脂が減少する原因
大気や冷暖房による乾燥、紫外線ダメージによる乾燥、誤ったスキンケアによる保湿不足や摩擦などによって、皮脂量が減少することがあります。
また、30代後半以降からは、加齢によるホルモンバランスの変化によっても、分泌される皮脂量は減少しやすくなります。
皮脂と上手に付き合うには?
皮脂の分泌量は多すぎても少なすぎても肌トラブルの元になります。
では、適切に皮脂が分泌される健やかな肌を育てるためにはどうすればよいのか、注意すべきポイントを見ていきましょう。
清潔な状態を保つ
過剰分泌された皮脂をそのまま肌の上に残しておくと、炎症などの肌トラブルをまねき、さらに皮脂が過剰分泌もしくは減少するリスクがあります。
そのため、起床後は就寝中に分泌された皮脂汚れを、また一日の終わりには日中の皮脂汚れを残さないように、きちんと洗顔をして清潔な状態を保ちましょう。
乾燥に注意する
肌の乾燥は、皮脂分泌のバランスが乱れる原因になります。
皮脂のべたつきが気になる方のなかには、クリームなどの油分を避けるために化粧水だけでスキンケアを終わらせることがあります。
ですが、それでは肌表面の油分が少ないために化粧水の水分が蒸発してしまい、肌内部が乾燥して皮脂の分泌量がさらに増えることがあります。
そのため、朝晩のスキンケアは保湿を重視して、保湿成分配合の化粧水から乳液もしくはクリームまできちんと丁寧に塗布しましょう。
その他、日常生活内では、直接冷暖房の風に当たらない、紫外線対策を行う、といったことに注意しましょう。
物理的刺激を与えない
日中の皮脂浮きやテカリが気になると、あぶらとり紙を頻繁に使用することがあるかもしれません。また、洗顔料やクレンジング剤を執拗にこすりつけて、皮脂のべたつきを取り去ろうとすることも。
ですが、このような物理的刺激を肌に与えていると、肌の水分・油分バランスを乱れて乾燥肌になったり、さらに皮脂を分泌して脂性肌になったりしてしまいます。
もしも皮脂浮きが気になる場合は、柔らかいティッシュペーパーを軽く顔に当てて、浮いている余分な皮脂だけを吸い取るようにしましょう。
生活習慣・食生活を整える
睡眠不足やストレスは、皮脂の過剰分泌を促す要因になります。
また、過度な食事制限によるダイエットや乱れた食生活による栄養の偏り、ホルモンバランスの乱れ、喫煙、過度の飲酒などもまた、バリア機能の低下をまねいて、結果的に皮脂のバランスも乱れることに。
そのため、生活習慣を見なおして、身体の内側からも適切に皮脂分泌される健やかな肌づくりをするように心がけましょう。
皮脂バランスを整えるためのスキンケア
では、皮脂バランスを整えて潤いのある肌を目指すには、どのようなスキンケア方法がよいのでしょうか。
洗顔時はぬるま湯で優しく洗い流す
皮脂のべたつきが気になるからと一日に何度も洗顔したり、皮脂を取りのぞく脱脂力の強い洗顔料を使用したりしていると、肌が乾燥してさらに皮脂が過剰分泌される懸念があります。
そのため、洗顔時は皮脂の落とし方にも注意が必要。基本的に洗顔は、朝晩の一日2回にとどめて、保湿力のある低刺激性の洗顔料で優しく余分な皮脂だけを洗い流すようにしましょう。
洗顔料はたっぷりと泡立てて、泡をクッションにして顔の肌に当てて、皮脂やその他の汚れを泡に吸着させるようなイメージで洗いましょう。
すすぐ際は、熱すぎるお湯だと肌に必要な皮脂まで溶け出して流れてしまうため、必ずぬるま湯(約32~34度)を使って、髪の生え際やフェイスラインなどにすすぎ残しがないようにご注意ください。
洗顔後はすぐに保湿ケアを行う
洗顔後の肌は、バリア機能が低下して乾燥しやすい状態になっています。そのため、洗顔後はすぐにスキンケアアイテムで保湿ケアをしましょう。
使用するスキンケアアイテムは、すでにバリア機能が低下して、肌内部の水分が蒸発しやすくなっているのなら、「セラミド」「ヒアルロン酸」「コラーゲン」などの保湿成分配合の化粧水で、最初に潤いを与えることがポイントに。
さらに、炎症を起こしやすくなっている肌には、肌荒れ予防作用が期待できる成分が配合されているスキンケアアイテムがおすすめ。
たとえば、肌荒れ予防が期待できる「グリチルリチン酸ジカリウム」をはじめ、「アラントイン」「グリチルリチン酸ステアリル」といった肌荒れ予防・整肌成分配合のスキンケアアイテムを選びましょう。
ビタミンC誘導体配合のスキンケアアイテムを使用する
保湿ケアだけではなく、皮脂のバランスを整えることにもフォーカスするなら、「ビタミンC誘導体」も注目成分です。
ビタミンC誘導体とは皮脂バランスを整えたり、肌リズムを整えたりする美容成分。ビタミンC誘導体の中でも、オイルに馴染みやすいため美容液やクリームに配合される「油溶性ビタミンC誘導体」(※)は刺激が少なく保湿性があるため、皮脂のべたつきも肌の乾燥も気になる方におすすめです。
※テトラヘキシルデカン酸アスコルビル、パルミチン酸アスコルビルなど
皮脂バランスを整えてツヤ肌に!
皮脂は、きれいな肌をキープするために重要な働きをしていることが、お分かりいただけたでしょうか。
べたつくからと無理に皮脂を取り去るのではなく、肌の外側・内側からの適切なアプローチで皮脂と水分のバランスを整えて、潤いのあるツヤ肌を目指してくださいね。
皮脂対策におすすめのスキンケア・メイク下地
ではここからは、皮脂バランスを整えるためにおすすめのスキンケアアイテムとメイク下地をご紹介します。
ボタニカルモイストウォッシュ
毛穴汚れを潤い守って洗い上げる洗顔フォーム「ボタニカルモイストウォッシュ」。
もっちりとした濃密泡がモコモコのクッションになり、毛穴に詰まった皮脂や汚れを落としながら、肌に摩擦を与えずにやさしく洗い上げる洗顔料。
植物由来の洗浄成分と保湿効果が期待できる京都産カイコまゆエキス配合で、肌に必要な水分・油分は残して汚れをすっきりに!
さらに、保湿成分の5種のヒト型セラミドと3種の植物幹細胞エキスが、乾燥しやすい肌に潤いを与えてバリア機能を整えます。
ボタニカルモイストクレンジングミルク
メイクや毛穴汚れを、やさしく落とすミルククレンジング「ボタニカルモイストクレンジングミルク」。
保湿成分4種のヒト型セラミドや3種の植物幹細胞エキス配合で、メイクや毛穴汚れはすっきり落としつつ、ゆらぎやすい肌に潤いとハリを与えるクレンジングミルク。
植物由来の洗浄成分と京都産カイコまゆエキスが、毛穴に詰まった皮脂やメイク汚れをオフ。肌に必要な水分・油分は残して、美容成分が乱れやすい肌のバリア機能を整えます。パッチテスト、スティンギングテスト済。
ボタニカルモイストローション
乾燥肌・インナードライ肌を潤いで満たし、みずみずしく保つ化粧水「ボタニカルモイストローション」。
4種のヒト型セラミドや3種の植物幹細胞エキスなどの保湿美容成分が、乾燥肌・インナードライ肌に潤いとハリを与えて、乱れがちなバリア機能を整える化粧水。
グリチルリチン酸2Kやアラントインなどの整肌・保湿成分が肌荒れを防いで、乾燥によるエイジングサインにもアプローチ。
ミネラル豊富なボタニカルウォーターが角質にすっと浸透して、みずみずしい肌へと導きます。敏感肌パッチテスト済。
ボタニカルモイストセラム
年齢サインが気になる肌に、ふっくらハリを与える美容液「ボタニカルモイストセラム」。
保湿美容成分ヒアルロン酸や4種のヒト型セラミド、5種の植物幹細胞エキスやカイコまゆエキスが、敏感肌に不足しがちな潤いとハリをプラスし、肌表面のバリア機能を整える美容液。
カミツレ花エキスやセイヨウオトギリソウ花エキスなどの植物エキスが、目元・口元の乾燥ジワなどのエイジングサインが気になる肌をひきしめて、キメの整った肌へと導きます。
ボタニカルモイストクリーム
ビタミンC誘導体配合! 潤い与えてバリア機能を整えるクリーム「ボタニカルモイストクリーム」。
保湿成分スクワランが肌の水分蒸発を防いで、角層に潤いを閉じ込める保湿クリーム。
保湿美容成分6種のヒト型セラミドや3種の植物幹細胞エキスが、乾燥肌に潤いとハリを与えて、肌表面のバリア機能を整えます。
さらに、整肌成分の油溶性ビタミンC誘導体が潤い満ちる明るい肌へと導き、使うほどにくすみのないハリツヤ肌へ。
ミネラルシルクマットベース
皮脂をブロックして毛穴をカバーするマット系化粧崩れ防止下地「ミネラルシルクマットベース」
皮脂吸着パウダーが余分な皮脂を吸着してテカリや崩れを防ぎ、さらりとした肌を保つ、皮脂テカリ防止マット系メイク下地。肌表面に膜を形成して皮脂を内側に抱え込み、皮脂を広げることなく一日中キープします。
紫外線カット効果(SPF40 PA++++)やブルーライトカット効果(97.5%)があり、色素沈着の原因になる外部刺激から肌を優しく守ります。保湿成分ヒト型セラミド配合で、肌に潤いを与えて乾燥を防ぎます。
敏感肌にやさしい低刺激処方で、シリコン、石油系界面活性剤・紫外線吸収剤など9つの無添加処方。石けんで落ちる処方。
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